明治大学 政治経済学部 教授 高橋一行
まず英文法の分析、説明に根拠がある。一方的に覚えるだけのものではない。長年、塾の現場で教えていたからこそ気付いたことであろう。例文が分り易く演習で訳し、暗記する。最低これだけ覚えたというものを持たせようとしている。
紙面だけの教材では反復出来ない。パソコン世代の若者には画面と映像で説明してあるところがいい。それも各項目が短時間に編集されているのが単なる授業を編集したものでないだけに いい。しかも英語は言語ですから、どうしても正しい発音やイントネーションを聞きたいものです。
日本人の英語学習、特に文法学習は文法用語の羅列で、文法のために文法を学ぶきらいがあります。解説がビジュアル化され、留学経験のある鉄人自身の発音が聞けるのは大きな魅力で す。従来のものは英米人の発音が聞けるものは多く、違和感を覚えます。文法を教えている教 師自身の英語を聞くことにより、自分もそのレベルを目指そうという、向上心も湧くのではないで しょうか。
青山学院大学法学部 教授 松川実
大学でTOEIC,TOEFLの試験を受ける大学生が多くなった近年、基本的な英文法の取り違いをしている諸君も多い。それは丸暗記に走った大学入試の弊害かもしれない。著者は何故、どうしてそうなるのかを言語学の立場から述べている。そして何より使えなければという言葉がいい。
「我々が求めていたのは文法書だけにとどまらず、英文解釈、英作文につながるものである。 従来の英文法の解説は叙述的であり、「単に暗記せよ」という型のものがほとんどである。
「何故」の疑問に答えていないものがほとんどだ。鉄人の英文法では数多くの例文を挙げながら、その中の法則性に詳しく言及している点で論理的で応用性に富み、単なる受験用にとどまらず、英語を再度学習したい社会人、留学を目指す学生の要望にも十分満たしてくれる参考書兼問題集である。
元 LEC東京リーガルマインド大学 総合キャリア学部教授 言語学博士 藤澤慶已
この本は、学習者が教材に求める高い基準に十分応えうるものだ。提示された大量の演習は、英文法の法則性を学ぶ大きな助けになり、英語初級者はもちろん、理解の定着を確認したい 上級者にとっても大いに役立つ。
また、『ひたすら暗記問題』で示された文章は、その章で扱う文法事項を的確にまとめながらも、非常にシンプルな文で覚えやすい。学習者はその例文を覚えることで、文法法則に気付くことができ、章の後半にある演習でその知識の確認が行える。講師による指導時だけでなく、自宅での学習時にもとても使いやすい構成である。
日本人学習者が英語を学ぶうえで最も重要なことは、英文法と日本語文法の違いに気付き、それを理解することだ。そのためには、論理立てて構成された質の高い学習教材の存在が 不可欠になるが、そのような教材に巡り会う機会はなかなか無いのが現実である。この本は、そのような要求をしっかりとクリアするものであり、そこで得た知識と能力は、大学入学後に英語 コミュニケーション能力を築くための土台になるだろう。
杏林大学外国語学部 教授 遠山菊夫
外国語を学ぶことは面倒なことだ。でも、苦労の末に「完全にマスター」とまでゆかぬまでも、ある程度使いこなせるようになれば、外国語ができることほど便利なこともなかなか他になかろう。海外旅行がずっと楽しくなるなどは当たり前のこととして、別に日本を出なくてもインターネットや本からさまざまな知識を得ることができる。しかし、日本語しか理解できなければ、アクセスできる情報はとても限られたものになる。ところが、英語ひとつできれば、話は全然違ってくる。世界中のありとあらゆる知識や情報を手に入れられる。
でも、その英語は他の外国語同様、身につけるには大変な苦労を伴う。面倒くさくてもコツコツ一歩ずつ前進して自分の力で全体像をつかむまで使い物などならないものだ。「これだけ覚えればすぐに使える」式英文法は、本の題名としては魅力的だが実際はそんなものはこの世に存在しない。
『鉄人の大学入試 ひたすら英文法』は、最近はやりのこうしたインチキ英文法とは大違いだ。 この『ひたすら英文法』の「ひたすら暗記問題」を全22課に渡って「ひたすら暗記」するのは随分 骨が折れるだろう。しかし、それができれば大学入試の基礎力どころか、将来の「使える英語」のスタートラインにつくことができる。
目で見て覚えようとするのではなく、なるべく英語らしい発音で暗唱すれば、自然と効果的な英語の勉強の仕方が分かってくるはずだ。それに『ひたすら英文法』は、ひたすら暗記させるだけではなく豊富な例文でもって「なぜそうなるのか」その理由をていねいにひたすら説明してくれる点も良い。その説明やコラムを通じて、英語圏の人々と我々日本人のものの考え方に大きな違いがあることに自ずと興味が湧くように出来ているところはもっと良い点だ。